自分本位。

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厚切りジェイソン「ジェイソン流お金の増やし方」投資始めようか悩んでいる人におすすめの一冊

          ジェイソン流お金の増やし方

現在売れている旬の投資本、厚切りジェイソン「ジェイソン流お金の増やし方」をオーディブルで聴き終えた。何か自分が知らない知識が得られればと思い、本書について何も知らずに聴いてみた。売れているのであればそれなりの理由があるのだろうと思ったが期待していたものは特に得られなかった。投資のことをよく知らない人に向けた内容であった。

 

 

本書はこんな方におすすめ

・投資をはじめたいけど、勇気がない人向け

・投資をはじめたいけど何から始めればよいのか分からない

・投資に対してギャンブル的イメージを感じている人

本書は投資を全く知らない人向け。あとは基礎的な部分をおさらいしたいという人にも良いかもしれない。

 

 

ジェイソン流投資手法の要点

かなり簡単にまとめると
①倹約・節約する、無駄遣いを減らす

②個別銘柄は買わない

③VTIもしくは楽天全米株式インデックスファンドを買う(投資対象は米国)

④投資をやめない 売らない

⑤NISA・イデコを活用する

⑥不動産・コモディティ・仮想通貨はやらない

他に読んだ本とそこまで内容は変わらない。特に真新しい話というのはなかった。
流行のFIRE本の投資だけに絞ったバージョンといった印象であった。

 

※これまで読んだことのあるFIRE本

FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド

FIRE 最速で経済的自立を実現する方法

 

 

参考:その他投資に関する初心者向け書籍

もみあげ流 米国株投資講座 もみあげ

お金が増える 米国株超楽ちん投資術 たぱぞう

バカでも稼げる 「米国株」高配当投資  バフェット太郎

英語力・知識ゼロから始める! 【エル式】 米国株投資で1億円 エル

私が米国株投資を始める為に読んだ4冊。これらは個別株にも言及されているため投資信託・ETF以外にも投資してみたいという人も参考までに読んでおくと知識が深められる内容となっている。

 

世界一やさしい 株の教科書 1年生 ジョン・シュウギョウ

世界一やさしい 米国株の教科書 1年生 はちどう

ソーテック社が出版している上記2冊は、そもそもの株の買い方から学べる本となっている。株を買いたいけど何から始めて良いのか分からないという人向け。

 

コメント

本書は投資の事を何も知らない人向けの内容である。(特に米国に焦点を当てたもの)投資を始めようか悩んでいる人にとっては背中を押してくれる内容であることには間違いない。

株を買うことに抵抗があるのであればまずは投資信託から初めて見るのが抵抗が少なく良いという印象。こういった初心者向けの本が出版されるようになってきて、日本国内でも投資への関心が高まり、身近なものになっているというのが感じられる。

読書記録:「黒い家」サイレンの屍人みたいなおばさんが強すぎる不気味作品

以前の「変な家」に引き続きオーディブルで「黒い家」という作品を聴き終えた。
この「黒い家」は1997年に出版された有名な作品とのこと。これまで知らなかったが映画化もされていた。

黒い家

オーディブルは読み手の巧さと声質で作品の魅力が大きく変わる。本作品は女性声優が読み手で一人何役もこなしている。演技力・表現力が豊かで声質がミステリーやホラーに非常にマッチしている点において特に優れている。それもあり前回の「変な家」同様楽しんで読むことができた。遅読な私ですらわずか数日で聴き終えることができた。
このオーディブルの良さは映画感覚で作品を楽しめるだけでなく、遅読の人にとっては時間を短縮できるという点も大きなメリットだろう。

作品については読み手の表現力が卓越しているおかげで良くも悪くもリアルで起こっているかのごとく感情移入できる作品であった。この作品はホラー小説というくくりだが、怖いというよりも気持ち悪いという感情に近い。幽霊による怖さとは違い、異常な人間によるリアルな不快感である。実際に有り得そうな話なので気味が悪い。
※以下一部ネタバレあり

 

黒い家 - Wikipedia

ストーリーは保険会社社員である主人公が余計な正義感で保険金詐欺を働くサイコパス夫婦に過干渉したために恨まれ自分や周囲に起こった悲劇・災難の話。あるいはお金と人殺しに執着するサイレンの屍人風おばさんが包丁で無双するホラーともいえる。私の中では犯人の女がどうにもサイレンにでてくる屍人を連想してしまう。

ストレスが多少溜まってしまう

作品は非常に長く、テンポの悪さは感じてしまう。余計な描写が多いという印象。それに加え、主人公が定期的に常軌を逸した愚かな行動に走ってしまうことによって自ら事態を悪化させまくる展開が更にイライラ・ストレスを感じさせられてしまう。途中までは見えない危険が徐々に迫ってくるという気持ち悪さがあった。後半になるにつれて主人公に対して強いイライラが募る。携帯電話やスマートフォンが普及していない時代に書かれた小説のため、携帯・スマホがあったらともどかしく思う場面が何度もあった。
また、主犯格(ラスボス)のおばちゃんが屈強な男や元自衛隊員のおじさんをはじめとした数々の男たちをいとも簡単に殺害する点は奇跡体験アンビリバボーである。なぜ?どうやって?という強い疑問がどうしても浮かんでしまう。残念ながら詳しい殺害方法については書かれてはいない。不意打ちしたとは想像できるが、どうやって殺害したのかどうしても気になってしまう。怖さとは別のものではあるが、このように強い感情を読み手に抱かせるという点においては巧みな作品であると言えるだろう。

ラスボスである屍人風サイコおばさんについて

ラスボス(犯人)の屍人風おばさん=サイコパス夫婦の妻:幸子

家族の保険金がなかなか入らないことに苛立ち主人公へ「そんなに他人に飯を食わせたくないのか」といった趣旨の発言をしている。明らかに保険金目当てであるということが分かるセリフだ。保険金をアテにし、毎月多額の保険を掛ける代わりに普段の生活に困窮するという本末転倒。保険金がなければ生きられない=保険金詐欺を生業にしていると言っているようなものだ。何度も保険屋を往復して無駄なプレッシャーをかける時間があるのであれば働くべきだとツッコミたくなる。そういった考えにも至らないような、知能や心が乏しい人間が巨額の金を手にしたところで心の平穏は満たされないのは明白。子供を殺し、夫も用済みでいずれ殺してしまうことになる。もはやそうなると一人で金の使い道などないだろう。

この犯人は金に対する執着はもちろんあるが、同時に殺しが目的になっているようにも思える。子供の頃から殺生することによって自らの欲望を満たし続けてきたため、金よりもむしろ殺しが生き甲斐なのではないかと感じられる。本能によってためらいなく邪魔な者は殺す。理性がなく動物のような存在だ。

最後に:実際にもあり得る話

これを読んで考えさせられる点があった。本作品のように人殺しとは行かないまでも、客に恨まれて陰湿なイタズラや危害を加えられる可能性は無きにしも非ずという点だ。
特に接客業をしていると感じるだろう。つまらない些細なことで激怒する客、スタッフがしたミスを根に持ち続ける客、さまざまな人間と遭遇する。あるいはちょっとしたことでキレて執拗に追いかけてくるあおり運転。これも近いものを感じた。異常な人間と遭遇してしまったらできる限り関わらない。相手にしない。逃げる。というのがやはり現代において重要なのではと感じる。

 

 

 

読書記録:青木真也著 距離思考 曖昧な関係で生きる方法 格闘家と投資家は重なる部分があります。

 

以前、DMMの電子書籍半額セールをやっていたときに購入していた本。

彼の一ファンとしてなにも考えず購入しましたが、投資家と重なる点も多く値段以上の価値がありました。参考になり勇気づけられた一冊です。

あらすじ

家族の在り方、人間関係の在り方について著者の独自の目線で語った自伝。

離婚を経験して孤独を味わいそれを乗り越えた青木氏にとっての「ファミリー」に対する独自の価値観、孤独と対峙する格闘家としての思いを綴っている。

 

参考になった・響いた言葉(本書から引用)

「今みんながやっている方法」を何の疑いもなく「いい」と思い込んで、「みんながやっているから安心だ」という理由で、それを取り入れることはない。(47ページ目)

格闘技におけるトレーニングやコンディショニング方法について語った一節。情報を集め自分に合うものかどうかを冷静に考える必要だと述べている。

また、著者は人と群れないことを常に意識している。同業者と練習することはあれどもプライベートでの交友はしない。なにより彼は自分の価値観「ものさし」を重視しているからだ。

投資家も格闘家と同様、結局は自分の判断で銘柄を選び投資することになる。孤独な闘いだ。他人の意見を何の疑いもなく鵜吞みにして自分が持つ軸がブレブレになってしまっては結局は群れている人達と同じことになる。本等から得る知識においても同様である。それでは唯一無二の存在になることはできない。

 

勝負師とは諦めがわるいものだ

 

人は勝負に強い人と弱い人に分かれる。

勝負に弱い人はわかりやすくて、人前で恥をかくのも嫌がるものだ。開き直れないという特徴もある。格闘技における勝負弱い選手となると、もう一つ大きな要素がある。そういうヤツらは「勝負師」の顔を持っていない。あくまで自分はいちアスリートであり、いち格闘技選手だと自身のことを考えている。

一方勝負に強い人はとことん勝負師的思考を貫いている。自分が勝負師として生きていることを強く意識しているのだ。

勝つためには、目の前の戦いを楽しみながら、諦めず、しつこく、粘り強く向きあう。(79ページ目)

勝つか負けるかの世界に常に身を置いている青木氏の勝負に対する価値観を述べる一節。有名なトレーダー達も諦めの悪さや粘り強さであったり勝負を楽しむ点ではほとんど同じのように思える。彼らも勝負師と自覚しており、成功を収めているのは負けても投げ出さずにしつこくトレードに 向き合った結果だろう。

 

できる限り、リスクは負わない。勝負師としてリングに上がる立場だからこそ、負けの可能性を秘める要素は極力排除する。(111ページ目)

試合中、ハイリスクになる行為はしない。リスクは最小限に抑え、適切なリターンを取りにいくことにしている。(112ページ目)

 格闘技における距離感(間合い)の重要性について述べた一節。

格闘技では相手との距離を詰めることはハイリスク・ハイリターンな行為である。相手へ攻撃はしやすくなるが、逆にダメージを負う可能性も高くなる。青木氏は一気に距離を縮めるようなことはせずに常に彼は警戒心を持ってやや遠めの位置から「ゆっくり、近く」相手との距離を縮めていく。自分が戦いやすい距離感を理解し、それを維持できる人間が格闘技では強者になれると述べている。

投資の場合も同様に、資金の投入の仕方と重なる部分がある。相手との適切な間合いも分からないまま一気に距離を詰めてしまい大きな痛手を負う可能性が高いのも投資の特徴。

 

息をしていることが生きていることではない。生きるとは何かに熱中して、魂を燃やすことだ。意思を持たない右へ倣えの集団に振り回されるのではなく、自分とは何か、生きるとは何かを問いながら大事に生きていこうと思うし、多くの人にもそうあってほしい。(146ページ目)

命の次に大事なものについて述べる箇所の一節。

引退も考える程の負けを経験し、打ちのめされ、這い上がって復活した人間だからこそ言葉に重み、説得力が感じられる。

 

おわりに

格闘家も投資家もどちらも一人で勝負していることには変わりはない。一人で戦って生計を立てる著者のマインドは見習うべき、参考にすべき点が多くあり、とても満足できる一冊でした。

読書:ババァ、ノックしろよ! 思春期の子供を持つ親は必読の良書

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本書の内容

ライムスター宇多丸氏がDJを務めるラジオ番組内の一企画を書籍化したもの。
思春期真っ盛りの子供のプライベート・気持ちに土足で踏み込んでくる母親に対するリスナーの愚痴投稿をまとめ上げたものである。
本書では母親の無神経さと行き過ぎた気遣い・母性が相まっていることを総称して「母シズム」と呼んでいる。
本書はその「母シズム」の被害事例集である。

本書はどのエピソードも総じて面白いがそれでけではない。
ライムスター宇多丸師匠の的確なコメント、ボキャブラリー、言い回しのバリエーションの多さは流石としか言いようがない。
更に本書は思春期の子供、これから思春期になる子供を持つ母親には一度読むべき本として推奨させて頂く。

おすすめエピソードベスト3

・「閉めて」「閉めません」

彼氏との行為がバレた時の母娘の押し問答が秀逸。
わが子を大切に思う母親の行き過ぎたババァノックエピソード。

・「ご飯」「島」「愛」

外国人の母親を持つ子供でないと体験することはない珍しいケース。
いかがわしいビデオの所持が母親にバレてしまったときの修羅場の話
名探偵コナンのくだりが秀逸。

・「寄生虫見えてるよ」

母の過度な心配によって引き起こされた悲劇の物語。
子供が感じた精神的苦痛は計り知れないものだっただろう。

 

感想

ほとんど全て質の高いネタで終始笑ってあっという間に読了。寄せられた投稿はどれも優れた表現力・豊富なボキャブラリーで飽きがこなかった。

他人からすると笑い話で終わるが、母シズムの被害にあった子供たちにとっては大きな屈辱を味わい面子をつぶされることになる。
本人からすればこれは全く笑い話では済まされないのだ。

親側からすればこれは大人になるための一種の通過儀礼だと考える者も中にはいるかもしれない。しかし当然のことながら無駄な家族の軋轢はないに越したことはない。

親心であまりに無神経に子供に干渉してしまうと大きなトラウマを植え付けてしまう恐れがあるということ。
親子関係に大きな溝をつくりかねない事態に陥ってしまうことを認識しておかなければならない。
本書はそれをなるべく避けるための反面教師にすべき実例が数多く掲載されている。当然ながら母親だけでなく父親も読むべきだ。古本で500円前後と格安で売られているので是非読むべき良書としておすすめさせていただく。

 

 

読書:何者かになるのは決してむずかしいことじゃない

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彼の代表曲は知らなかったが大好きなクレバとよくコラボしているので読んでみた。

 

内容は大まかに、

どんな分野でもいい。自分の好きな事に向き合いとことん突き詰めること。
人生の大半を好きな事(ギター・音楽)に打ち込んできた事で著者自身のスタイル・アイデンティティ・ブランドを確立したといった内容。
著者の場合は音楽・芸能というジャンルのプロだけど自分も生き方を見直して何か武器にできるものを磨いて成長していけばきっと何者かになれるといったメッセージ。読んでモチベーションが高められた。
現状に甘んじることなく新しいことや上のレベルに積極的に挑戦し続ける姿勢も自分の見習うべき点。

タイトルの「何者かになるのは決してむずかしいことじゃない」という「何者か」になるということは自分自身を見つめ、好きな事に向きあい、努力を惜しまず挑戦することだ。

そして徹底的に突き詰めればどんな分野であっても多少なりとも自身の存在価値を高め、誰かにとっての「何者か」になれるはずだというメッセージ。

著者の生い立ちや、経歴等の前情報には触れずに読んだがこれを読んで彼のファンになった。
一流のアーティストとして活躍する傍ら国連の仕事や俳優業もこなすという素晴らしい経歴の持ち主だということを知り驚くばかりだ。
見かけばかり良く見せようとする中身が伴っていないような人間も多い中、彼は真のアーティスト(表現者)だと感じた。大変読みやすく、非常に勇気づけられる一冊。

読書:頭に来てもアホとは戦うな!

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先日読んだ本。
普段マナーの悪い人間等を見て頭に来ることが多い自分にピッタリの本かと思い、タイトルだけ見て買ったが期待と全然違った。


国会議員という仕事を通じて得た著者の経験談的な内容が多く、全然自分の仕事や境遇と重なる部分がなかったため参考になる部分があまりにも少なかったのが非常に残念。

あと、何度も著者の経歴紹介(~~の大学へ行って優秀な外国人たちと話した。優秀な政治家達と出会えた。企業でアドバイザーをしている等)の話が何度も繰り返し出てくるため、自分の経歴紹介・自己アピールも含んだ本なんだろうなという印象。

良かった点は1人の成功者の生き方を知れた所と、
他人に時間を割く暇があったら、自分と向き合う時間に費やせといった内容。
限られた人生の中で時間を自分の為にいかに効率よく、有意義に使えるかといったことが成功の鍵なのだろうと読み取れた。
自分がコントロールできない他人に対してイライラしたって何も解決しない時間の無駄。不条理ばかりのこの世界ではある程度の諦めとスルーして割り切って生きていくことが必要だし、コントロールできる自分自身を変えていくことで成長していこうというような話。
ごくあたり前の話なんだけどこれは必要だと改めて再認識させられた。

 

時間の使い方は大事に。


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 今まで読書をほとんどしていなかった自分が久々にすらすらと楽しんで読めた。

 今までの時間の使い方がどれだけ間違っていたか気付かされた。

普段仕事・家事・育児に追われてやらなきゃいけない事ばかりで時間がないと嘆いていた時にたまたま見つけた1冊。

その名も神・時間術。

医者としての専門的なアプローチで、かつ分かりやすく時間の効率的な使い方が記述されている。 早起きや睡眠の重要性についても大変参考になった。多少自画自賛っぽい部分があり、もう少し科学的な根拠に基づいて突き詰めて欲しかった感はあるが、個人的には得する情報が多くて読んでよかったと思う。面白かったです。