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「楽天はボランティア団体なのか?」と「厚切りジェイソンさん:フォロワーから八つ当たり」感想2本

楽天モバイル、0円プラン廃止で批判殺到

先日、楽天モバイルは楽天アンリミットの0円プランの廃止を発表した。楽天モバイルはこれまでの1GB以下0円から3GB以下約1,000円という値上げに踏み切る。これに対し「いきなり大幅な値上げをするな」、「無料だから利用したのに」等というような批判の声が多い様子だった。

私自身も楽天モバイルユーザーであり、乗り換えキャンペーンで数ヶ月間無料サービスを享受した一人だ。現在は月々2,000~3,000円程度利用している。今回の値上げに対して思うことは、楽天は「慈善団体・ボランティア企業」ではないということ。そして私がもし楽天の株主であれば、正しい判断だったと思いこれを強く支持賛同するだろうということ。

当然ながら楽天は利益を追求するために回線・携帯電話の商売をやっている。貧困者等の為に無料で回線を提供しているわけではない。まずはこのことが大前提である。儲からないことひたすら赤字を垂れ流してやりつづける程お人よしではない。現に楽天はモバイル事業の損失が拡大している。0円目当てに契約して今回の値上げに批判的な層はまずこの大前提を理解できていないのだろうと思った。


あらゆるサービスには相応の対価が必要。

「法に触れるから月額0円をやめた」わけではない 楽天モバイルが電通法を持ち出した理由とは - ITmedia NEWS

当然ながら通信回線の維持、整備や基地局の開設等には費用がかかる。
その費用を楽天は支払うわけであるが、かかった費用はユーザーからの利用料で賄わなければならない。タダで使っているユーザーがあまりに多いとなると楽天にとってはタダ働きをしているだけで一切特にはならない。赤字でいずれ潰れることにもなりかねない。今回の値上げは真っ当ではないだろうか。さも通信料0円で当たりまえであるかのような状況であるが0円で使えていたことに感謝するべきではないかとさえ思う。

妥当な価格設定では?

よく考えると1GBといえどもタダで利用できることが逆に異常であり、無理のある価格設定だったのだろうと思う。3GB迄1,000円であれば十分に安いと思う。たった1,000円のどこに不満が出るのか、私の感覚では全く理解ができなかった。

楽天は利益を上げて、維持発展していく必要がある。

「ぶっちゃけ0円でずっと使われても困る」これは真っ当な発言だ。見かけだけ良くして取り繕ってばかりいてはダメだ。はっきりと本音を言うことも時には大事。この0円廃止は逆に株主目線では賛同されるべきものであると思う。

0円でずっと使い続けるユーザーはいつもコンビニで何も買わずにトイレだけ利用するような客と何ら変わらないという風に思う。コンビニのトイレは公衆トイレではない。
何も買わずにトイレだけ使われた場合、当然ながらペーパー代や上下水道代等がかかっている。多くの人間に使われればその分汚れやすくなり、掃除も必要になる。それらは微々たるものであろうが店にとっては赤字となる。

これと同義で楽天の0円プランもボランティアで回線を提供しているわけではない。将来的な収益を上げる為の集客のきっかけづくりや単なる先行投資に過ぎない。上述したコンビニに喩えると0円プランはコンビニのトイレ、その他の有料プランの部分が商品となる。タダで使い続けられても回線の負担になるだけで楽天にとってメリットは一切ないどころか損をする一方であり、社長の発言通り0円でずっと使われても困るのは当たり前だ。何度も述べるが楽天はボランティア団体ではない。

楽天の株価は昨年3月をピークに1年以上下落トレンドが続いている。現在の価格は今年の最安値のあたり。収益を改善し楽天はこの状況を何としても打破する必要がある。0円廃止になっても致し方ないように思う。


楽天の落ち度

楽天にも落ち度はある。

0円プランが適用となるのは1GBというわずかな容量のユーザーではあるが、廃止ということから察するにライトユーザーがあまりにも多かったのだろう。1GB以上の有料のユーザーがそれなりに増えるだろうという目論みが外れてしまったということは想像に容易い。楽天のやり方が良くなかったのは、期間限定ではなくこのプランを基本としていたことだ。これでは1GBで使い続けられれば永久に0円で使い続けられたということになる。それを期待していた客も多かれ少なかれいただろう。最長1年迄といった期間限定でやっていればここまで批判はされなかったはずだ。また0円の魅力に惹かれて最近加入したばかりのユーザーにとっては可哀そうとしか言いようがない。

0円廃止は何ら問題なし。利益を上げてサービス改善に期待。

タダ目的のユーザーがpovoに乗り換えているようだ。こちらも基本は0円を謳っている。楽天にとっては願ったり叶ったりという状況ではないだろうか。0円目当てのユーザーを排除して確実に収益を上げる方向へ舵を切ったのは充分に評価できる。

そもそも1GBユーザーがどこまで回線の負担になっていたのかは分かりかねるが、その分回線の負担が軽減し品質が良好になってもらえれば楽天モバイルの一ユーザーとしては文句なし。というかむしろ歓迎である。今後は収益を上げてもらい、きっちりとサービスに還元して回線品質向上につなげてもらうことに期待したい。

楽天の回線は建物内で繋がりにくくなることがある。ここまで安く使えているのであれば仕方がないと諦めが付いてしまうものの、特にウーバーの配達をしている時にマンションに入ると回線がつながりにくくなる場合があり、これにはストレスが溜まる。不便を感じることがあるため、利益をしっかり上げて改善してもらいたいところだ。

 

厚切りジェイソンさん、八つ当たりされツイッター炎上

厚切りジェイソンさんがツイッターでの過去の発言を全て削除したことが話題になった。先日厚切りジェイソンの投資本についての感想を記したばかりだ。タイムリーである。

ダウ平均は現在タイムリーに下落。12日には年安を記録している。

投資を生業とするとはこういうこと

当然ながら彼が株価を動かしているわけではない。大小全ての投資家たちの心理・売買の結果が株価だ。彼の本やツイートを見ただけで買った初心者は元本割れを起こしたことに憤慨し、騙したと非難したのだろう。と推測した。

当然ながら、永久に株価は永久に上がり続けるということはない。長期的には右肩あがりの米国株さえこれはあり得ない。これまでの歴史が語っているようにいくら強い米国株であっても大きな下落を経験しながら徐々に上がっていくものである。

投資本を出して特定の銘柄を取り上げて推奨する以上、厚切りジェイソンさんはこういった非難をある程度覚悟の上で投資本を出さなければならない。中には「お前の本を読んでその通りにやったら損をした。金返せ!」と激怒する者も出てくるということはある程度想像できる。そこまでいかなくとも、腹いせにアマゾンのレビューを低評価にされるなどの行為は十分考えられる。そういったものを気にしない、あるいは耐える覚悟が多少なりとも必要といえる。

出版タイミング非常に悪かった。

また彼は投資本を出すタイミングを見誤ったということもある。今回の著書が出版されたのは2021年11月。丁度この頃のダウ平均株価は天井付近。更にはこの時期は既に利上げは示唆されていた。株価が低迷することはある程度予期されていたものであり、株価が下がる可能性は十分考えられるタイミングだ。

タイミングを知ってか知らずかそういった時期に本を出版。彼はもともと優秀な人なので知らないわけがないだろう。彼が予期できなかったのは自分に批判が集中するかもしれないということかもしれない。出版後の米国株は伸び悩み、現在は低迷。去年早々に出していたのならば話が変わっていただろう。

本が出版されたのはちょうどダウ平均がヘッドアンドショルダーズの最初の山(ショルダー)を形成した付近あたりとなる。

S&P500もだいたい似たような状態。

彼が保有し、推奨している銘柄であるVTIも連動して下げている。


すべて自己責任。誰もだましてはいない。

確かな事は、投資するもしないも最終的には自身の判断によるものであり自己責任である。厚切りジェイソンさんは他人に文句を言われる義理はない。謝罪する必要もない。
上述したように、そもそも米国では利上げが示唆されていた。下がる余地が十分ありながらリスクを承知で投資を行った自身に責任があるということだ。
このようなある程度予期できる局面において投資を勧めた彼を責めるのはお門違いである。

現在の下落気味の相場において厚切りジェイソンさん自身も多かれ少なかれ損はしている。あるいは利益が減少しているはずだ。当然ながらこれは他人の責任ではない。米国株に投資している彼自身の責任である。

結局、今回の件は単なる責任転嫁であり元本割れして含み損を抱えたストレスを他人にぶつけたいだけなのだろうと見ている。

確かに株でもギャンブルやその他何等かの勝負事に負けるとイライラして精神的に落ち着かなくなる。株で負けることは苦痛だ。誰でも株で勝ちたいと思っている。私自身もネットゲームで負けてイライラすることが頻繁にあった。結局それと同じということだろう。

 

現在は積み増すのみ

確かに下落・調整局面ではあるが、厚切りジェイソンさんの投資法的に言ったら「こんな下落で一喜一憂するな」ということである。投資信託であれば逆に下がったら積み増しておくチャンスだと思う。

現在、米国株が低迷し苦しい状況を強いられている。こんな時こそ、種銭を稼いでひたすら楽天バンガードファンド等買い増しておく、あるいは下落しきった時にしっかり買っておく準備をしておくことが重要だと個人的には思っている。