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RIZIN シバターVS久保優太の八百長騒ぎについて感想や簡単なまとめ

     

昨年の大晦日RIZINでシバター選手と久保優太選手が選手同士で勝手に連絡を取り合い八百長の打ち合わせを行って試合をしたという件について現在も炎上しています。今回の騒動について関係者などからYoutube動画が次々とアップロードされ油がどんどん注ぎ込まれた状態となりました。当事者のシバター自身もコメントの動画をアップロードし、ここぞとばかりに火に油を注いでいる状態です。Youtubeで稼がなければならないので彼の芸風であれば当然でしょう。

この件に関して個人的な考えを率直に述べると、RIZINには台本が全くない純粋な格闘技だと信じていた方に対して失礼かもしれませんが私はシバターは特に悪いとは思いませんでした。
なぜなら「彼はもともとそういう芸風・スタイルだから」ということに尽きます。

彼は格闘技に人生を賭けている、格闘技で生活している人ではなく、Youtubeを生業としている人です。リング上での出来事や試合の勝敗だけで終わるわけがありません。
彼にとっては今後RIZINに出られなくなってもそこまで痛くはありません。絶好のビジネスチャンスととらえてRIZINをきっかけに人々から注目を集め自身のYoutubeに絡めてくることは明らかだからです。

昨年大晦日RIZINでは、扇久保選手や朝倉選手をはじめとした選手たちが素晴らしい試合をしたにもかかわらず、今回の騒動でそれらが全てかき消されてまさにシバター一人勝ち状態。RIZINがシバターを利用して儲けるつもりが、逆にシバターがRIZINを利用して話題をかっさらい主役になった。もはやこのような状況です。

 

 

八百長の定義について

八百長と騒がれていますがそもそも八百長とはなんなのか定義を確認します。

 

八百長 - Wikipedia

wikipediaによると

八百長(やおちょう)とは、真剣な勝負事と見せかけて、一方が故意に負けるうわべだけの勝負をすること。

八百長(やおちょう)の意味 - goo国語辞書

goo国語辞書(デジタル大辞泉(小学館))によると

1 勝負事で、前もって勝敗を打ち合わせておいて、うわべだけ真剣に勝負すること。なれあいの勝負。「―試合」

八百長は勝敗・結果がもうすでに決まっていることという風に定義付けされています。

今回の件についてはシバター選手が久保選手に負けるという提案をして勝敗に関する打ち合わせを行いましたが、結果シバター選手は勝利しています。この時点で八百長は成立しておらず、八百長の定義には当てはまらないといえます。

 

簡単に流れを振り返り

これまでの流れをざっくり振り返ります。

シバターと久保優太の対戦が決定

シバターが試合を棄権したい等と消極的発言をして心理戦を展開

裏でもLINEや電話で、八百長(試合の流れ・結果に関する提案)をもちかけ久保が了承?

1ラウンドで久保選手があっさりと関節技で負ける

久保選手がTwitterで「正直者が馬鹿を見るのか」等と台本があったことを匂わせるツイートをする

事前の打ち合わせと違う結果となり、試合前やり取りを知っていた久保の身内が激怒しLINEのスクリーンショットをツイッターで拡散

シバターがこの件について動画投稿

久保優太が謝罪動画アップ

格闘家や大御所たちが次々動画投稿

シバターが久保優太を救いたいという動画アップ

シバターが謝罪、MMA引退宣言の動画等アップ

RIZIN榊原氏が動画アップ


簡単にこのような流れと認識しています。

 世間では特にシバターさんに対する批判の声が多い印象ですが、今回の件に関しては久保選手とその身内はかなり軽率だったのではないかと感じました。

 

久保選手側が軽率な対応と感じ取れた理由

なぜ軽率な対応だったのか理由は以下の通りです。

久保側の近親者が安易に先走ってしまってLINEのやりとりをリークさせた

身内である久保選手の妻の弟が怒りに任せてやりとりのLINEをSNSに晒しました。これはまさに先走り過ぎた軽率な行動だと思いました。

 

久保選手は陣営になんの相談もしていなかった模様

久保陣営の代表である宮田氏はこの八百長持ち掛けについては何も知らされていなかったとのことです。

今回のやりとりはシバターさんと久保さん(と身内)のやりとりだったようです。しかし八百長があったいうことを後先考えずに感情に任せてカミングアウトしてしまったことによって本来無関係(全く知らなかった)であったであろう宮田氏をはじめとするセコンドや、RIZINの運営等も疑惑の目に晒されます。最悪、彼らの信頼を損ねる可能性が十分あるということです。いきなり先走って単独で行動してしまうことは余計に事態を重くさせてしまいます。

 

相手の分析を怠った

久保は過去のシバターの動画(試合)を見て相手を分析することを怠り、そしてまんまと相手に乗せられてしまいます。過去にシバターは朝倉未来との試合でも「お金積むから負けてくれ」といった八百長を持ち掛けています。

 シバターは本気の格闘家ではなくあくまでもYoutuber。自身のチャンネルの視聴数を稼ぐためになんでもやってくるはずだということ。シバターが出場するという時点でネタ路線で組まれた試合ということは分かり切ったことです。
シバターについてきちんとどんな人物なのか、分析できていれば八百長の誘いに乗らず1ラウンドから全力で闘えていたのではないかと思います。あるいは八百長の打診に乗っていても1ラウンド目から久保選手は全力で倒しにいけたのではないかと思います。

 

シバターの主張

久保側からのカミングアウト・謝罪動画を受け、シバターはRIZINでの疑惑について・久保を救いたいという2つの動画を連続でアップロード


ざっくりまとめると

・過去に何度も八百長持ち掛けをしているのに、なぜだまされたんだ?

・買っても負けても八百長のことは墓場まで持ち込まなきゃダメ

・もし自分が勝っていたら八百長があったと言わなかったはず

・やっていることが一から十までかっこわるすぎる

・八百長したと認めてしまったら、もうRIZINだけでなく他の団体でも試合させてもらえなくなる

・ユーチューバーに騙されたとなれば今後格闘技の試合に出場することはおろか、情報商材まで売れなくなる

・残された道はシバターと一緒にyoutubeのパチンコパチスロ日本代表chでガンダムユニコーンを打って稼ぐこと。これで久保を救いたい。

 

このように発言しています。

 

関係者、業界大御所、その他人物の発言

この一件について各選手や格闘技界の人たちがコメントをしています。

 

朝倉未来

ざっくりまとめると

・シバターの作戦勝ち

・シバターはもともとクズ。今回の行為もクズ。

・久保はシバターがクズなのを見抜けなかった

・久保は純粋だった。

・自分がRIZINにシバター・久保を推薦したのに申し訳なく思っている

このように述べています。


HIROYA

【シバター久保戦】一連の騒動について伝えたい2つの真実【HIROYA】 - YouTube

ざっくりまとめ

・シバターの八百長持ち掛けについては全く知らなかった。

・シバターのやり方は推奨されるものではなく、やるべきでない。

・シバターvsHIROYAの時はこのような事はなかった

・当初は久保選手と戦う予定だったが怪我のため棄権したことを申し訳なく思う。

扇久保博正

八百長問題について - YouTube

ざっくりまとめ

・対戦相手とLINEするのはあり得ない

・打ち合わせしたとしても騙されて負けたと騒ぐのはダサい

・シバターらの試合と、自分たちの格闘技は同じくくりでみないでもらいたい

前田日明

【RIZIN 33】シバターVS久保優太 前田日明がシバターとRIZINに物申す!! - YouTube

ざっくりまとめ
・最初は久保が試合に集中できなかったのだと思った
・シバターの提案を呑んだのは良くない
・シバターはやっちゃいけないことをやった。クズ中のクズ
・RIZINを純粋に競技の場として二度と起こらないようにしないといけない。
・久保を救済したい。

大沢ケンジ

1月6日格闘技通通信○シバター久保を斬る!○RIZIN大晦日振り返り○14日ONEタイトルマッチ三浦彩佳!日本人4人出場! - YouTube

ざっくりまとめ

・久保を守るとか、シバターはだめだとか感情的な話ではない。八百長の持ち掛けを受けた時点でダメ。

・プロの競技としてRIZINの権威をまもるためには裁かなければならない。

・久保はMMAの業界にはいちゃいけないのではないかと思う。

・ライジンにはしっかり処分してほしい。そうでないとただのテレビイベントになる

・ここでライジンが裁かなければ今と同じ熱で見られなくなる

・他の競技の場合、試合前に相手選手に連絡を取ったらすぐ騒ぎになる。

・日本のmmaはコミッションはない、裁くとすれば団体であるRIZIN

・シバター対久保を組んだライジンが悪いわけではない

・格闘技で生きていない人間に試合をさせたら今後もこのようなことは起こり得る

・シバターはYouTuber。炎上すればいいという考え。切り返しだけ見れば天才。こんなこと言い返されたらなにもいえない

青木真也

青木真也「RIZIN」シバター久保戦は「八百長ではなく“申し合わせ”」|NEWSポストセブン

ざっくりまとめ

・八百長とは事前に勝敗を決めること

・今回のやり取りは何かと言えば、何をどこまでするかをお互い“申し合わせ”した。

・この話題に言及するファイターたちは、みんな感情的になりすぎている

・久保が格闘技界のための問題提起をしたいわけではなく、「こんな申し合わせをしていたのにズルい」と言っているだけ。そんな恥ずかしいことよく言えるなという感想

 

昇侍

シバターの八百長についてお話します。 - YouTube

ざっくりまとめ

・こういうことをするのはシバターだけ

・シバターの作戦勝ちというところ。久保が勝負に負けただけの話。

 

太田忍

【シバターVS久保優太選手】問題の八百長疑惑について - YouTube

 

ざっくりまとめ

・自分たちの試合とシバターらの試合は別物。

・シバターの提案は受けたらいけない。受けたとしても1ラウンドから倒しに行く。

・最低の作戦だがシバターの作戦勝ち

小比類巻貴之 

シバター vs 久保優太の八百長問題について。 - YouTube

ざっくりまとめ

・シバターの作戦通りにいった。やり方は汚かったけどずる賢くシバターは勝った。

・昔のボクシングの世界では相手選手を寝かせないなど汚いやり方はよくあった。

・賢い勝負師が勝ったという事だと思う。シバターは勝負師だったということ。

・久保についてはシバターの土俵に立って重い相手と闘った久保を讃えたい。次は挽回するような試合をして欲しい。

・K-1で築いた過去の栄光があるのにシバターを最後に引退をするというのは笑えてしまう。

・今回は全然処分する問題ではないと思う。

・正しく勝とうとする人がいるが、そうではないという人もいるという勉強になったのではないか

 

その他

エンセン井上

Rizin.33 - シバター対久保。八百長? - YouTube

まとめると

・他の選手は命かけて戦っていたのに八百長は許せない。プロレスでやってくれ。

・台本通りにはならなくても八百長。

・久保はシバター相手にしちゃだめ。話は受けちゃだめ。

・これから格闘技するならこういうこと辞めて欲しい。過去の選手達にも失礼。

・真剣に100%の力を出して闘ってほしい。

 

※どうでもいいですがイビキが気になります。

 

瓜田純士

【便乗】シバター久保優太 1番悪いのはコイツだ - YouTube

ざっくりまとめ

・勝手に対戦相手とやりとりしてたのはよくない。

・大きな舞台でやったシバターのやり方が認められるとなんでもありになってしまう。

・プロスポーツ選手、オリンピック等の世界ではきついペナルティが課せられる

・RIZINも競技だから厳しくすべき

・久保はシバターを訴えた方いい

・この動画をみることがあったら俺のところに来い(久保に対して)

 


ストラッサー起一 

【八百長疑惑について】お前らふざけやがって❗️真剣にやってるMMAファイターの気持ちを聞いて下さい。こいつらマジで迷惑です。シバター、久保!MMA舐めんなよ! - YouTube

ざっくりまとめ

・お前らいい加減にしろ(シバター・久保に対し)

・真剣にやっている僕らは八百長していません。そんな人たちに疑惑の目が向けられて迷惑。

・自分も他の選手も真剣にMMAをやっている。どれだけ影響を与えたか分かっているか?

・シバター・久保以外は絶対に八百長していません。

・シバター・久保、いい加減にせいや!

 

シバター謝罪&MMA引退コメント

各関係者らから一通りコメントが出た後にシバターが引退宣言の動画をアップロードしました。


まとめると

・RIZINの主役になってしまって申し訳ありません

・UFCのローガンポール同様、メインではなく色物が話題になるのは仕方がないこと

・無名選手相手に必殺技の急所蹴り+バッティングして勝てなかった皇治が全く話題にならなかった。

・皇治の危機管理能力はすごい。軽いキックボクサーなので寝かせてしまえばシバター勝つということを理解している

・MMAは引退します。プロレスはやりたい試合があったらたまに出るつもり。

・今後は未経験だが炎上系プロゴルファーを目指します。スポンサーも募集します

 

ようやく出てきた榊原CEO(RIZIN)の見解

そして先日、ようやくRIZINからのコメントがでてきました。

まとめると

・シバターの行為は品性下劣でモラルに欠けている

・プロの世界はスポーツマンシップに則った正々堂々とした闘いだけではない。シバターのように汚い手を使って勝とうとする行為は手法は違えど過去にたくさんあった

・契約書には選手間のコミュニケーションに関する規定はなかった。今後は二度と起こらないよう規制する条項を契約書に盛り込むつもり。

・シバターにはある意味一本取られたところがある。

・誰かに罰を与えるという話ではない。両者を処分するという考えはない。彼らを受け入れた以上切り捨てるとか責任を押し付ければ事が納まるということはない。

・RIZINの歴史の中で一石を投じられた一つの案件としてここから多くを学んでいく。

 

こういったことが述べられていました。

news.yahoo.co.jp

 

備考:情報商材屋としての久保優太

闘う投資家という肩書きで活動している久保選手ですが、シバターの動画でも触れられている情報商材については「久保優太 情報商材」などと検索すると株式投資に関する情報商材(kubo7)を売っていたということが分かります。こちらに関して解説しているサイトが数多くありますが、あまり良い話はなくかなり怪しげです。

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最後に感想

結果的にはシバターさんが試合前からyoutube等を駆使して場外で久保選手に心理戦を仕掛けてだまし討ちして狡猾な手段でうまく勝ったという風に見えました。朝倉未来さんの言う通り、これはシバターの作戦勝ちでしょう。

あくまでシバターはRIZINをYoutubeの延長にあるものと考えエンタメを追求している。
RIZINはあくまでも稼ぐための場にすぎない。ということだと思います。そこでシバターは試合後までビジネスチャンスとしてうまくこの騒ぎを利用したに過ぎない。こういうことだと思っています。

一方で久保さんは相手のことを知らなさすぎて、騙されたと言って身内含めて事を大きくさせすぎた。自爆したという印象。それで久保さんについてはファンを失望させてしまったと思います。しかしながら、株式投資関連の怪しげな情報商材を売っていた彼については正直個人的にはあまり同情の気持ちにはなりません。大炎上中ですが良くも悪くも売名はできているのでそこが唯一の救いではないでしょうか。

自分自身、今回の件があってもRIZIN=全ての試合がヤラセだという風には見ていませんし、そういう考えにも至りません。特にがっかりもしませんでした。仮に一部八百長試合があったとしても、それはそれで知らなければ良いと思っています。裏で分からないようにやってもらえれば良いです。RIZINがエンターテイメントとして格闘技を面白いものにして、練りに練って作った演出・ストーリーであるならばそれはそれで納得できます。
個人的にはRIZINをUFCやベラトール等と同じものとは個人的には見ていないです。どちらかというとゴールデンタイムの地上波で放映される以上、ある程度エンターテイメント的な方向に持っていかざるを得ません。なので真剣な総合格闘技のイベントにしたいのかエンターテイメント的な要素を含めた格闘技イベントにしていきたいのか方向性としては曖昧になってしまうのも避けられないと思います。

今回ペナルティなしという公式の見解がでたので真剣な、ガチのものを求めていたファンからは失望されたことでしょう。こうなるとファンからはガチっぽい格闘技テイストのエンターテイメントという風に判断されていってしまいそうです。

今回の件に関しては実際にシバター選手、久保選手の間で勝手に行われたものであり、シバター選手の持ち掛けた提案通りの結果には至らなかったので「八百長」までとはいきません。大袈裟に言うならば「八百長未遂」といったところです。ベテランの格闘家である青木選手の言う通り、あくまでも「申し合わせ」レベルのものでしょう。

今回の試合自体、タイトルマッチや今後のトーナメント等に影響するものではなくそもそもエンタメ枠・エキシビジョン的なくくりでありRIZINが厳しくペナルティを課すような案件ではないように思えました。久保選手側が身内含めて大袈裟かつ余計に騒ぎ過ぎたことで無駄な炎上をしてしまったという風に見えた今回の一件でした。

ファンは失望したこととは思いますが、エンタメというくくりでプロレスとそこまで変わらない目線で試合を観戦することができればあまり感情的にならずに済むと思います。久保選手の実力は確かなものですので、彼にチャンスが与えられるのであれば真剣なネタ枠ではないガチの相手と試合をして格闘技を盛り上げていってもらいたいところです。