今回は厄を引き寄せる厄病神的な人間に遭遇したという話です。この思いを少しでも供養できればと思い記事にします。
今は時間も金も費やす余裕がないため全くやっていないが数年前に趣味でフットサルをやっていた。これは数年前フットサルにハマっていた時に遭遇した、僕が勝手に厄病神と呼んでいる男の話。ちなみに名前は知らないし、知人でもない。
その男と初めて遭遇したのは初心者向けの個人で参加するレッスンに初めて参加した時だった。20名程度の参加者の中にその男がいた。
その男は30代後半~40代位の顔つき、フットサル経験豊富のようで年齢の割に多少若く見えた。奥さんか彼女なのか分からないがにゃんこスターの女のような連れと一緒にカップルで参加していた。最初は特に気にも留めなかった。「カップルで参加する人もいるのか、よっぽど趣味が合うんだな」程度に思っていた。
練習が始まり、参加者同士でグループを組んで練習こなしていくうちに気付いたが経験豊富なせいかやけに先輩風を吹かすような感じだなとは思っていた。
「自分よりはうまいし、慣れているのだろう。そういう人もいるだろう」と思ってそのまま過ごした。一通り基礎練習が終わり、最後の1時間程度でチームを組んでゲーム(練習試合)をすることになった。
アクシデントが起こったのはまだ始まって数試合の序盤の出来事だった。厄病神がいるチームとの試合だった。ゴール前で人が多少密集しているところで僕がボールに足を伸ばしたその時、厄病神の足が横から出てきて足払いのような形になった。
僕の足が払われて足首から地面に着く格好になり、強烈に足首を捻挫してしまい倒れこんだ。激痛だった。
何とか耐えて起き上がり、大したことないだろうと思って過ごしていたが痛みは引かず、最後まで足を引きずりながら我慢して何試合もすることとなりその日の練習は終了。傷みをこらえながら帰宅して足を見てみるとガッツリ捻挫しており、足首の周りは紫色と化していた。治ってまともに走れるまで1か月以上かかった。
その時はその男を厄病神と呼んだり恨んだりはしなかった。ただ不運だっただけだろうと自分の中で片付けていた。
そこから数か月後。足の捻挫も回復し調子が良くなってきた頃、別のフットサル場の練習で奇しくも再びその男が居合わせた。忘れかけていた記憶がここで再び蘇り嫌な予感がした。「またコイツかよ・・・」という気持ちを抑えながらこの日も練習していた。しかし案の定、僕の中の悪い予感は的中した。
練習中、僕がキーパーになりゴールを守っていた時に事故は起こった。ほかの参加者が僕が守るゴールに向かって鋭いシュートを蹴った。手で弾けるまあまあ甘いコースだったように思えたが、思った以上にボールのスピードが速くて重く、反応が遅かったため小指だけが突き指しながらボールに持っていかれた形になった。同時に小指が接触した時「パンッ!」と乾いた音がした。やっちまったと思った。小指を見たところ最初は突き指かと思ったが、関節の骨がいつもと違って触るとグニグニと動くのが分かった。しかも指は全く曲がらず次第に大きく腫れあがっていた。そこでもう無理なのは分かったので途中で打ち切り、痛みを我慢して翌日病院に行った。
近所の病院でレントゲンを撮るとやはり骨折していたことが分かった。今回あの男は怪我に直接的には関与していなかったがまた同じ場にいたということ。しかもそれまで怪我とは無縁の人生を送っていた自分が短期間で立て続けに負傷したということ。その男は厄病神だと自分で勝手に思い込んだ。
怪我の状態については意外と深刻だったらしく、手術が必要とのことで大きな病院を紹介された。そして1か月以上地獄の治療生活を送った。詳しい手術の内容については省くが、ギブスで固定するという簡単なものではなく、関節部分で元の機能を維持するため針金を突き刺して固定するという手術をした。
実際のレントゲン写真はこちら↓
シンプルな骨折というよりかは衝撃で骨が細かく砕けているような状態に近かったらしい。細かい骨を寄せ集め細い針金を通して固定させたような形となっている。
指に針金が通っているため、手術後数日は肘のあたりまで激しく痺れ激痛に悩まされた。また創外固定具と呼ばれる針金の器具は指の両サイドから飛び出ているため非常に邪魔だった。
さらに最悪だったのは最後の針金を抜去する時の想像を絶する激痛。ペンチで無理矢理針金を引っこ抜かれたが、最後の最後まで辛い治療生活を送ることとなった。
完治後、後遺症というほど大袈裟なものではないが残念ながら怪我前のようには完全に元通りとはならなかった。日常生活で不自由を感じてはいないが、握ったときに関節が曲がりにくくなったのと指を伸ばした際に反っていた指が反らなくなったという状態になってしまった。
すでに過ぎてしまったことをああだこうだ言うつもりはない。そして厄病神と僕が勝手に呼んでいる人物は当然全く罪の意識などは皆無だろう。(指の骨折時においては)
むしろ本人からすればとんでもない言いがかりである。
しかしながら彼に一度抱いてしまった厄病神という先入観は変えることができずに一生僕の記憶に残り続けることだろう。率直に言うと、その厄病神に対してどうしても腹が立ってしまうということである。
負傷した時、帰り際に気遣った素振りを見せて声をかけられ、涼しい顔で「うわぁ~ドンマイだね」といったことを言われたことが腹立たしさを助長させる。
簡単に忘れられる程脳は単純には出来ていないということである。今後一生気が晴れることがないまま何年先も根に持ち続けるだろう。ちなみにこの怪我以降、まったく怪我はしていない。
願わくば取り憑いた厄を倍にして返却させていただきたい。これからもこのことを思い出すたび厄の持ち主のもとへ戻っていくように陰ながら念じつづけることだろう。
やられたらやり返す!倍返しだ!