鼻詰まりの手術の後日談。
前回日記を投稿後、昨日無事退院。
一言「辛すぎてもうやりたくない。」
↓経緯・症状などは前回の記事で。
同じような症状で悩む方や、手術を考えている方に向けて綴ります。
以下、時系列で記載。
入院前:検温・PCR検査
入院した病院はこの手の手術では県内で一番経験のある病院。
コロナ禍ということで2週間の検温と前日のPCR検査があった。どちらも大きな問題なし。唯一の問題はPCR検査が激痛だったということ。
検査方法は細長い綿棒で鼻の奥の粘膜をグリグリ採取するというインフルエンザの検査と同様の手法。
※イメージ
これがかなりの激痛で痛みが収まるまで30分程度かかった。これをやられているときは顔をしかめざるを得ないくらいの痛みだ。
救いだったのは検査をやってくれた看護師の女性が好みの美人だったという点。一種のプレイだと思ったらなんとか乗り越えられた。
入院初日 7/8
入院の手続き一通り済ませ、主治医の診察や麻酔科医からの説明を聞く。
それ以外は特にやることなしで暇な一日。
手術時間は翌日の13時頃。この日は12時以降の食事は禁じられており水かお茶の飲用のみ許可された。
株価や会社からの連絡をチェックしながら入院前にタブレットに予めダウンロードしておいたAmazonプライムの海外ビデオを観て一日終了。
入院中に観ていたのはシカゴファイア シーズン1。各キャストのキャラ設定が秀逸。長年続く人気の海外ドラマはやはりキャラ設定のセンスが卓越している。
入院2日目(手術当日)
手術前
手術まで朝から何も食べられないため、水を少しだけ飲む。
そして手術の約3時間前にアクアファンという経口補水液を手渡された。脱水予防のためとのこと。これ以降の飲み物は一切禁止された。
まずいのかと思いきやりんご味がかすかにして意外とうまい。ポカリスエットを薄めた感じ。
残念ながら原材料を見ると大嫌いな人工甘味料が入っていた。これはだいぶイケてない。空腹ということもあり20分程度で飲み干すことができた。残りの時間は前日同様海外ドラマを観て過ごした。
予定時間になり看護師の案内で手術室に通されると、手術後の麻酔で眠っている患者やベッドが次々と行き来し、ドクターや看護師も忙しく歩き回っている。ここでなぜか下手したら自分は麻酔から永遠に目が覚めないんじゃないかという不要な不安を抱く。
手術室に通され仰向けに横たわると色々な医療機器を体に装着。血圧計、心電図のやつ、ふくらはぎマッサージするやつ等。
そして点滴・麻酔用の針を腕にぶっ挿す。太めの針なのでこれが結構痛い。麻酔を注入する前によくわからない点滴を入れられた。10秒程度経つと顔が熱くなり落ち着かなくなる。ここで若干パニック状態になった。その後に麻酔も注入される。
看護師さんからの「目を閉じてていいですよー」という声を聞き数秒目を閉じていたら知らないうちに麻酔で気を失っていたと思われる。
手術後
「起きてくださーい。無事手術終わりましたよー」という看護師さんからの声に目が覚める。自分の周りに人が取り囲んでいた。
この時は気持ちよく寝ているところを無理矢理起こされた時の気分。あるいは赤ちゃんがお母さんのお腹の中で気持ちよく眠っているところを無理矢理引っ張りだされて現実世界に出された時のような、そんな気分だった。
「え?!なんじゃこりゃ?うわ~」という感じ。
目が覚めて数秒経った後ようやく状況を理解する。「14時40分 手術終了しました」と声が聞こえる。手術時間はおおよそ1時間半程度。
鼻にこれでもかというくらいの詰め物をされ、息苦しいところに感染予防のマスク、そしてその上には酸素マスクをつけられ苦しさの極みが頂点に達する。窒息寸前。
酸素マスクは装着すると快適に呼吸できるという勝手な先入観を持っていたが、まったくの正反対。プラスチックのお椀で口と鼻を覆っている感覚だった。とにかく息苦しいし、気持ちが悪い。
手術直後~1時間程の状態は
・とにかく息ができない。苦しい
・かなり気持ちが悪く多少の吐き気
・貧血気味で気を失いそうな状態
・強烈な倦怠感・疲労感で全く動けない
・かなり体が熱い
・血がダラダラ喉を流れて苦しい
簡単に表現するとインフルエンザの最上級バージョン+αのような感覚だろう。死を多少意識した。
看護師さんからは
・血は飲み込まないで容器せ
・綿球(鼻の詰め物)は血で汚れたら定期的に変えろ
ということを言われる。ボロボロの状態のときこれがいちいち面倒だった。
尚、麻酔が切れた後の鼻の痛みはあまり気にならない。触ると痛む程度だった。
手術後は生理食塩水の点滴2本+抗生剤を投与され、ようやく少し楽になったのは7時間程度経過した22時頃。楽になったといっても生まれたての仔馬に少し毛が生えたレベル。それまではベッドから一歩も動けずトイレにも行けない状態だった。楽になるまでは眠れずひたすらもがき苦しむ地獄の時間を過ごした。
看護師さんから夕食(おかゆとゼリー)を渡されるもののまだ気持ちが悪くほとんど食べられず残す。ゼリーと水を体内に入れ、ほぼ何もできずこの日は終える。
入院3日目(手術翌日)
鼻に綿が詰められ口呼吸しかできない状態で全く寝られず朝を迎える。
フラフラな状態ながらもおかゆをなんとか食べられるまで回復。ここで改めて健康が大事だと実感する。喉に流れる血は落ち着いたが鼻に入れた綿球は血がたくさん付いていたため、頻繁に交換しなければならない。また、鼻の中の圧迫感で涙が止まらない状態だった。
この日も疲労感で何もやる気がおきず時々寝たりぐったりとしながら一日終了。
口呼吸で寝るのが苦しすぎるのでまさに苦行の一日。更に初日以降シャワーを浴びられず不快な状態。
入院4日目
引き続き口呼吸で寝られず朝を迎える。食事は問題なくとれる状態まで回復。歩くのも不自由はないが、手術後から37℃程度の微熱が続いていた。まだ倦怠感が強い。出血はかなり収まっていた。簡単な医師の診察があったが特に問題なし。退院は2日後と告げられる。
動く気力がないため、この日は終日ベッドで引き続き海外ドラマや映画を観た。
ずっと気になっていたAmazonプライムの新作、クリスプラット主演のトゥモローウォーを鑑賞。
エイリアンと戦うSF映画はだいたい飽きない。間違いないストーリー設定。自分にもこんな娘が欲しいなと終始思いながらこの日は終了。
入院5日目
この日ももちろん口呼吸で寝られない。しかし午前中にシャワーの許可が出たので幾らか気が紛れる。出血や痛みもないかなり楽な状態。
午後には医師の診察があり、ここでようやく鼻の奥に詰めていた綿を抜き取られた。
入っていたのは筒状の細長い止血用に使われるタンポンのようなもの。一瞬で終わるがこれを抜くときが激痛で大量に涙がボロボロ流れた。
その後内視鏡で鼻内部の画像を見せられるとシリコンのシートが糸で縫い付けられていることを確認。退院して約2週間後の外来でこれを取り外すために抜糸をして取り外さなければならないらしい。
鼻に詰めていたタンポンの抜去後、鼻で問題なく快適に呼吸できることを確認。
ついに時は来た!
※イメージ
しかしながら傷の治りを早めるため、しばらく綿球を鼻に詰めないといけないとのこと。医師曰く、綿球を鼻に詰めることで鼻の中に湿気がたまる。粘膜は湿気を保つ事が治りを早めるらしい。
診察後、ナースから鼻うがいの指導を受けた。
このスッキリヘゴタローという病院公認の鼻洗浄器で洗う。
入院前に買うことが義務付けられていた。値段は約2,300円。結構高い。にしても昭和を感じさせるネーミングである。Amazonで安く売られてないか探したところほとんど定価で変わらない価格であった。
名前の由来については「ヘゴ」が予防という意味らしい。
容器の中に少しの塩と温水を入れて使うだけのシンプルな構造。最初は辛かったが慣れると問題なし。鼻洗浄するとかさぶたが取れて治りを早める効果があるとのこと。朝夕2回使用する。
退院日
ついに退院日を迎えた。綿球を鼻に詰めなければならなかったが、昨夜は寝る前にこっそり綿球を外し鼻呼吸して爆睡。久しぶりの快眠。倦怠感と微熱は続く。出血はほんの少し。
午前中に診察と鼻吸入の後、会計を済ませて味噌ラーメンを食べ帰宅。体力が低下し、体調がよくない中一人で電車で帰るのは想像以上にきつかった。
かかった費用
心配していた費用の点だが健康保険の限度額申請をしていたため入院費は9万円弱で済んだ。その他かかった費用は服やタオル等のレンタル品、生命保険用の診断書代等。ざっくり計算すると以下のようになる。
・入院費 :89,000円
・レンタル: 2,100円(350円×6日)
・診断書 : 9,000円
・ヘゴタロー:2,300円
・会社の人に渡すお礼(菓子折り):1,800円
合計:104,200円
このようになる。内容によるが生命保険に入っていれば賄える金額だ。
会社員であれば福利厚生で入院時の給付金が出る所もある。あまりお金の心配はないと思う。
現在の状態について
鼻の状態
最も重要な鼻の通りはかなり良好。完全に世界が変わった。手術以降、鼻シュッシュは一度も使用していない。完全な断薬状態である。
触らなければ全く痛みは感じない。出血もほとんどない。
唯一気になるのは鼻に入っているシリコンシートを縫い付けている硬い糸が飛び出ているため、鼻毛が出ているような感覚。
詰めていたタンポンのようなものをとってから気付いたが、嗅覚がかなり鈍っており匂いをほとんど感じない。
体の状態
退院して数日経ったがまだだるさがあり、微熱があるような感覚。入院中動かなかったこともあり体力がかなり低下している。
更に頭が常にぼーっとした状態。抗うつ剤を飲んでいるときの感覚にかなり近い。頭の回転が悪くなっているのを感じている。
入院前に説明があったがもしかするとせん妄と呼ばれるものかもしれない。これが結構辛い。
その他
入院中ちゃんと磨けてなかったからかなぜか冷たいものを飲むと歯が沁みるようになった。手術と因果関係があるのかは不明。
入院中辛かったこと
口呼吸での睡眠
口を開けながら寝られる人もある程度いると思うが自分はできない。口を開けて寝ると必ずいびきをかいてしまい、いびきの音が不快でしかも呼吸がかなり苦しく感じるからだ。一瞬だけ眠れるものの、いびきの音に気付くとすぐに目が覚めてしまう
性欲
若い男性は当然のことだが何もしないと欲求はたまってくる。男の性だ。
だが入院中は周囲に人がいるためいかがわしい行為は一切できない。トイレで済ませる人もいるはずだが自分の場合は不衛生な環境ではできない。なのでひたすら我慢するしか方法がなかった。美人の看護師もいたため考えるべきではない余計な煩悩がたくさん沸き上がってきた。こういった面においても入院中は苦行だった。
持って行ってよかったもの
タブレット
これは必須と言っても過言ではない。病院によってそれぞれだが、入院先ではノートPCの持ち込みが許可されていなかった。代わりにタブレットを持ち込み、先述したようにドラマや映画をダウンロードしておけば暇つぶしに事欠かない。
グミ・飴
手術後、とにかく口の中が乾く。あるいは口の中が変な味になってかなり不快感がある。グミや飴でそういったストレスを軽減することができたのでオススメする。持っていなければ病院の売店で買うのもよし。
持っていけばよかったもの
調味料
調味料、特に塩・コショウは必須だと感じた。病院の食事は基本的に味が薄くてかなり物足りない。健康的なのは分かるが味が薄くて食事を楽しめなければストレスになる。調味料は持参すべきだった。
マウスウォッシュ
先述の通り手術後は口の不快感が気になる。小型のものでもいいのでこれも持っていくべきだった。
いらなかったもの
ワイヤレスキーボード(タブレット用)
入院中ブログに投稿する原稿を書き溜めておこうかと思っていたが体調が悪くそれどころではなかった。入院前に約3,000円で購入したが使わずに終わった。
本
6~7冊持って行ったがこれも無駄に終わった。同じく体調が悪く読める状態ではなかった。無理矢理読んでも頭に入らない状態だったので結局読まずじまい。持参するならば内容が簡単な本1~2冊程度で十分だった。
最後に
今になってみると鼻閉(鼻づまり)に悩み薬を使い続けていたのが馬鹿馬鹿しく感じるレベルで鼻の通りが改善されて各段にQOLの向上が実感できている。退院後、鼻づまりで寝苦しくて目が覚めることがなくなり快適に睡眠ができている。
過去の自分のように点鼻薬が手放せなくて悩んでいる人、鼻中隔湾曲症で鼻づまりに悩んでいる人にはぜひ手術を受けるべきだと思う。
※病院は自宅からの距離で選ぶのではなく多少離れても信頼できる経験豊富な病院で手術してもらうことをおすすめします。
最後に、
鼻中隔矯正手術をすると世界は変わる。